タコ型宇宙船A〔精○と時の部屋〕

 ドアを閉めた宇宙船側の軍医タコが、ドア向こう側にいるはずの隊長タコに言った。

「言い忘れていましたが、入室するとタイマーで設定した時間が過ぎるまで、絶対にドアは開きませんから……それから、部屋の中には飲食物は一切ありませんから……設定した十分間は、『精○と時の部屋』では一ヶ月が経過しますから……それじゃ頑張ってください」

 60秒後……ドアを激しく内側から、叩く音と蹴る音と隊長タコの怒鳴る声が聞こえてきた。

「出せ!! ここから出せ!! このドアを開けろ!! オレが何をしたっていうんだ!!」

 さらに数秒後……ドアはドンッドンッと激しく叩かれ、隊長タコの怒声も激しさが増して口調が悪化してきた。

「てめぇ!!! 軍医ふざけんじゃねぇぞ!!! オレを閉じ込めて宇宙船を乗っ取る魂胆だろうが!!! やらせはせんぞうぅぅ!!」

 さらに数分後……次第にドアを叩く音が弱まってきて、今度は隊長タコの口調が弱々しい哀願口調に変わってきた。

「た……頼む……このドアを開けてくれ……オレが悪かった……助けてくれぇ」

 ドアを叩く音も次第に減り……弱々しい声で「水……水……食べる物……くれぇ」の声を最後に、ついに何も聞こえなくなった。十分経過後……軍医タコが呟いた。

「時間です……一ヶ月、飲まず食わずご苦労様でした。わたしだったら何も無い無音の空間……一分も持ちません」

 ドアロックが解除されると、乾きモノのように、萎びて変色した隊長タコがドサッとドアの外に転がり出てきた。



 干しタコになった上司タコを見て軍医タコが、うなずく。

「ふむっ、部屋の中ではこうなるんですか……これなら自然解凍した、蘭花たちを入れても大丈夫ですね」

 軍医タコがタブレット端末を操作すると、宇宙船の床の一部が円系に上昇して、解凍された裸の蘭花と銀牙が現れた。

 蘭花が笑みを浮かべて、軍医タコに挨拶する。
「おはようございます……タコ神二号さま」

「おはよう、蘭花……」

 軍医タコは、精○と時の部屋の前に倒れている隊長タコの乾きモノを、ポンッと触手足で蹴ってどかす。

「さっそくですが、この『精○と時の部屋』に入室してセックスをしなさい……ドア外の時間で一日、部屋の中では一年間、通してセックスしなさい」

「はい、わかりましたタコ神二号さま」

 蘭花と銀牙が部屋に入ると、ロックされ蘭花と銀牙のセックスが開始された。

 一日が経過して二人が部屋から出てくると、銀牙の肉体とペニスは入室前より、たくましく、引き締まって……蘭花の体は、さらに肉欲的な肉体に変わっていた。

 蘭花と銀牙の肉体を見て軍医タコが言った。

「セックス修行の成果が出たようですね」

「はい、タコ神二号さま……こんなコトができるようになりました」

 蘭花と銀牙の背中から突出した白い翼が、黄金色に輝き二人の髪の毛も金色に逆立つ……そして、銀牙の乳首から父乳が。蘭花の尿道口から女の精液が勢い良く吹き出す。

「銀牙とのセックスを思い出しただけで何もしなくても、あたしは精子を……銀牙は父乳が吹き出るようになりました」
「すばらしいパワーアップですね……絶頂のタイミングは合いましたか?」

「いいえ、それはまだ」
「そうですか……まぁ、成果があったので良しとしましょう……蘭花、銀牙、次のキ○タマ探索は、機械化男爵の『機械城』です……メンバーは、蘭花と銀牙と響子。響子と運び屋の源サンとは、地球で合流して向かってください……あと必要そうなメンバーは」

 軍医タコは室内をグルグル飛び回っている、チンチン君・金剛を見上げた。

「チンチン君、蘭花たちと一緒に、機械城に行ってください」

《がってんだぁ!!》

「それと今回は、わたしも同行します」

 軍医タコの言葉に蘭花は「タコ神二号さまも?」と、驚いた。


 数時間後……地球上空を源サンが引くリアカーに乗って『機械城』へと向かう、響子、軍医タコとリアカーと並んで飛行している、蘭花、銀牙、元気なチンチン君の姿があった。



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あきゅろす。
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