タコ型宇宙船@〔機械城〕
その日……タコ型宇宙船内の実験室に軍医タコは一匹で、円筒形の透明ケースに一個づつ入れた、黄金色のキ○タマを眺めていた。
「これで、やっと二個集まりました……キ○タマ集めも、結構大変ですね……そろそろ、ここらで蘭花と銀牙を、例の部屋に入室させてパワーアップさせておいた方が……」
軍医タコが思案していると、赤いタオルを首にかけた隊長タコがタオルで顔の汗を吹きながら、実験室に入ってきた。
隊長タコが、爽やかな顔で言った。
「いやぁ、いい汗かいた」
「運動でもしてきたんですか?」
「軍医が与えてくれた、地球人の玩具女と交尾してきた」
「不純な汗でしたか……まぁ、タコと人間では受精しないから別にいいんですけれど」
「なんだ、受精しないのか……つまらん、強制的に異種受精するように、軍医の力でなんとかならないか」
「お断りします……頭がタコで体が人間の生物や、頭が人間で体がタコの新生物は見たくないので……銀牙の精液をメスタコの胎内に注入して人工受精させれば、タコと人間が合成した異種生物は誕生しますけれど。そこまではやりたくないので」
隊長タコは、壁に手足を鎖で繋がれ意識を失っている。股間が完全に『チンチン君・金剛』の発着場オブジェと化した裸の着衣人類男性と……犬小屋の中で首と手足を引っ込めた女体姿で、寝ている美久を確認してから軍医タコに訊ねた。
「他の連中の姿が見えないな?」
「源サンは地球のオイル風呂で休暇中です、なんでも錆びが関節部分に浮かんできたので『錆び落とし』してもらって。金属疲労を癒すために……尻目は妖女仲間と一緒に地球で合コンです」
「響子は?」
「ずいぶん長い間、学校を休んでいましたからね……勉学です」
「響子って学生だったのか? そういえば風呂場から強制的に【どこでもホール】で宇宙船に連れてきてから、一度も学校へは行かせていなかったな」
「その間、コピーロボットを紫音の代わりに登校させていましたから……一部電子回路が、ジャンク部品から作った。コピーロボットだったので鼻の頭が黒かったり……データの異常で、いきなり教室でオナニーをはじめてしまったり。男性教師やクラスメイトの男子や女子と、頻繁に性行為をしていたみたいですね……学校では『ビッチ響子』とか、『穴兄弟製造機』なんて、アダ名で呼ばれていたみたいです。もっともコピーロボットと本物が入れ替わっても、淫らな体験を積んできた響子は淫奔に耽る娘に変わっていましたから、クラスメイトも違和感は感じていなかったですけれど……ちなみに響子の学校には、半裸人類の女性教師で絶対に犯せない『丘先生』なんてのもいるみたいですよ……ま、それは別にどうでもいいんですけれど」
「そんな半裸人類がいるのなら、学校に見学に……」
「やめておいた方がいいですよ……隊長の場合は高速移動する黄色いタコと間違われて、秒殺されるでしょうから」
「なんだそりゃあ? 蘭花と銀牙は、いつものように冷凍保存か」
「はい、冷凍食品と一緒に……自然解凍が終わったら、ある部屋に入れてセックス修行させてみようかと、考えてはいるのですが」
「ある部屋?」
隊長タコは、実験室の一角にある鎖が掛けられて、封鎖されているドアに目を向けた。
「もしかして、あの錠前と鎖で封鎖されている部屋のことか? 前々から気にはなっていたが」
「この中古宇宙船を購入した時に、オプションでついていたんです……なんでも外界と時間の流れが異なる部屋があって……『○神と時の部屋』とか呼ばれているとか……蘭花と銀牙のセックス強化のために利用しようかと。前々から考えてはいるのですが」
「なんだ、何か問題でもあるのか?」
「一度も中に入ったコトが無いので、使ってもいいものかどうか思案しているんです……誰かが入ってみれば部屋の状況もわかるんですが」
「そんなコトだったら、オレが試しに部屋に入ろう」
「えっ!? 隊長が? 大丈夫ですか?」
「部屋に入るだけだろう……何を臆する必要がある」
「わかりました、お願いします」
『○神と時の部屋』の錠前と鎖が外された。
軍医タコが言った。
「このドアについているタイマーで入室時間をセットできます……もう一度、確認しますが本当に入るんですか?」
「軍医もくどいな……オレは隊長だぞ、部屋に入るくらいなんともない」
「わかりました……じゃあ入室時間を十分間にセットしますね」
「たった十分間部屋に入っているだけでいいのか? 楽勝じゃないか」
ドアが開いて隊長タコは部屋に入った。後ろでバタンとドアが閉じる音が聞こえた。
部屋の中は、真っ白で広大な空間が広がっているだけで……入ってきたドア以外は何もなかった。
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