童話の町@
童話や昔話の主人公の能力を持った、裸女&裸男が暮らすメルヘンな『童話の町』
その町の外れに流れる川で、二人の童話裸女こと童女が釣りをしていた。
裸体に太股まであるニーブーツを履いて、羽飾りのついたツバ広の帽子を被り、腰に剣帯を巻いてレイピア剣を下げた童女が、隣で釣糸を垂れている童女に話しかける。
「にゃあにゃあ、桃にゃん、聞いたかにゃ……この『童話の町』のどこかに黄金色のキ○タマがあるらしいにゃ」
【長靴をはいた裸猫】から話しかけられた、桃たんと呼ばれた童女は軽く「みたいだな」と、素っ気なく答えた。
額に『日本一』と書かれた鉢巻きを巻き、裸に陣羽織を直接羽織り。昇り旗を背負い、足には草鞋、腰帯に日本刀を差した凛々しい童女【女桃太郎】だった。
「桃にゃんの返事は、いつも冷たい返事だにゃ……一人はみんなのために、みんなは一人のために……童女同士協力しないとダメだにゃあ」
「オレはそういうのは苦手だ」
長靴をはいた裸猫と、女桃太郎が釣りをしている川を、背中に甲羅をつけて頭に皿を乗せた裸の女河童が仰向けで流れていくのが見えた。
女桃太郎が言った。
「今の流れていったのは妖怪の力を持つ妖女か……童女の国に、ちょくちょく姿を見せる奴もいるなぁ」
「しかたがないにゃ、童女に関係した妖女もいるからにゃ……桃たんも、鬼ヶ島の鬼の妖女さんたちとは仲良しにゃ」
「別に仲は良くはないが……輝くキ○タマがあると知れたら、裸族人類がこの『童話の町』に近いうちにやって来るな……だが、この町にはあの方が」
「だにゃ、現在の童女を総括しているのはシンデレラ城にいる【裸の女王】さまだけれどにゃ……影の権力者は、昔は乙姫と名乗っていて、裸女の支配する世界を作ろうと画策して。タコ側裸族人類オールスターズ大戦でボコボコにされた……あの」
長靴をはいた裸猫が、ある人物の名を口にしようとした瞬間、飛んできた弾丸が近くの木の幹をえぐる。
はっ!? とした裸猫が弾丸が飛んできた、向こう岸を見ると、木の蔭に猟銃を構えた裸男と、赤ずきんを被って腕組みをして立っている裸の成人女性が、こちらを凝視していた。
「あ、危なかったにゃ……うっかり、あの方の名前を口にするところだったにゃ。女ピノキオの二の舞になるところだったにゃ」
「あの方は、今は姿を潜めて、再び『裸女のための、裸女による、裸女が支配する世界』実現のための資金集めに専念しているからな……現在の通り名は計画発動までは、伏せておきたいらしい……もっとも、裸族人類がこの町に来たなら、どこまで隠し通せるかどうか」
「また、ひと波乱がありそうにゃ」
裸猫と女桃太郎がそんな会話をしている、後ろの土手を青い洋服を一枚づつ脱ぎながら、裸になった【裸アリス】が「茶会に遅れる、遅れるちゃう」と言いながら走って行き。
空には金斗雲に乗った、裸の【女孫悟空】が飛んでいくのが見えた。
その頃……月の裏側に浮かぶタコ形宇宙船内では、隊長タコが弄びのために軍医タコから与えられた着衣人類の女性の股間に地名が書かれたダーツの的を張りつけ、ダーツの矢を投げて遊んでいた。
隊長タコが投げたダーツは、『童話の町』の所に命中する……的を股間に貼りつけられた女性はダーツが命中すると「うッ」と、短い声を発した。
「軍医、どうやら黄金のキ○タマがありそうなのは『童話の町』のようだぞ……行ってキ○タマ見つけてきなさい」
「そのダーツ占い本当に当たるんですか? 『童話の町』ですか今回は蘭花と銀牙は休ませた方がいいですね……童話の町には、例の性悪裸女が暗躍しているとの情報も入っていますから」
軍医タコがタブレットを操作すると床の一部が上昇して並んだ、長方形のボックスの中で冷気で凍結睡眠状態にさせられて、立ったまま眠らされている、蘭花と銀牙が現れた。
軍医タコが、さらにタブレットを操作すると、眠らされている蘭花と銀牙の裸体をスキャンするように……光りの輪が二人の体の表面を頭の方から爪先まで通過していった。
「乳首とアナルの感度が少し低下していますね……中間メンテナンスもしないといけませんから『童話の町』には別の誰かに行ってもらいましょう」
「誰が行くんだ?」
隊長タコは研究室内を見回す。室内に居るのは犬小屋の中で亀のように手足を胴体に引っ込めて寝ている、ハイブリット裸族人類の【美久】と。
四畳半セットの窓辺で、全裸で夕日を浴びて黄昏ている妖女【尻目】と……室内を《がってんだぁ!》と、叫びながら飛び回っている、ロボペニスの【チンチン君・金剛】と。
キセル煙草の煙を揺らしている、運び屋【源サン】と。
『動物半島』に長期間滞在しすぎて自分が人間であるコトをすっかり忘れて、四つ足立ちで「もーっ、もーっ」鳴いている、裸の響子がいた。
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