人間牧場B〔狼なんて怖くない……『動物半島』完結〕

 そう言って脱衣した、ハム吉は何を思ったのか、立っている蘭花の片足を登り蘭花のヒップにピトッと張りついて腰をヒコヒコ動かしはじめた。

 バトラッシュが驚いた声で怒鳴る。
「あッ、バカ! 裸族人類とやったら殺されるぞ!」

 ハム吉は、バトラッシュの言葉を無視して腰を必死に動かした。

「ぜんぜん、気持ち良くないのだ……マ○コに届いていないのだ」

 しがみついて必死に人間とセックスしようとしているハム吉を、振り向き気味に見下ろす蘭花は、優しく微笑む。

「お姉さんとエッチしたいの?」

「したいのだ、でもサイズが小さいから届かないのだ」

「しかたがないなぁ……体位を変えてあげるから」

 蘭花は牧草の上に仰向けになると、ハム吉が挿入しやすいように股を開いた。

「ほらっ、この体位なら、お尻側よりも、マ○コに挿入しやすいよ

「お姉さん、ありがとうなのだ」

 ハム吉は人間との正常位を試みる、マ○コに張りついて腰をヒコヒコと動かすハムスター。

「やっぱり、届かないのだ……でも、これはこれでヌルヌルして気持ちいいのだ……ボクは人間のメスとセックスをしているのだ……これでいいのだ」

 ハム吉のペニスは、蘭花の性器溝をチュクチュクと触れているだけで、蘭花に快感を及ぼすほどの刺激には至っていない。仮に挿入されたとしても、壷口に爪楊枝を差し込んでいるようなモノだった。

 それでも、女性性器の肉ヒダにしがみついて、必死に腰を振っているハムスターの姿に愛くるしさを覚えた蘭花は、ハム吉のために感じている演技をした。
「あッ、気持ちいぃ……ハム吉くんのチ○ポで、蘭花イッちゃうぅ」

「ハァハァ……裸族人類のお姉さんを、ボクのチ○ポでイカせるのだ……頑張るのだ!」

 横目で舎弟のハム吉と、蘭花の性行為を眺めながら響子を【人姦】していたバトラッシュにも射精の瞬間が近づいていた。

「おうッ! おうッ! イキそうだ……人間のメスに中出しするぞうぅ! あおぉぉぉん!!」

 その時、バトラッシュの片方の睾丸が袋の中で、淡い光りを放った。

 蘭花が言った。
「光るキ○タマ!? 黄金のキ……」

 蘭花の言葉が終わる前に、どこからか剃刀を持った一匹のクラゲが飛んできてバトラッシュのキ○タマ袋を斬り裂く。

「ぎゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

 斬り裂かれた袋から転がり出てきた銀色のキ○タマ……銀玉を拾ったクラゲは、そのままどこかへ飛び去っていった。

 蘭花たちは、唖然とした顔で玉袋を押さえて、地面でのたうち回っている狼を眺めた。

 やがて、蘭花がポツリと一言。
「今の何?」と、呟く声が聞こえた。


 数時間後……『動物半島』を離れて、タコ型宇宙船に帰還した蘭花と銀牙は、動物半島での一部始終を軍医タコに伝えた。

「……と、言うワケで玉袋を斬られた悪い狼は、ニューハーフとして生きる覚悟を決めたそうです……めでたし、めでたし」

 蘭花たちからの報告を聞き終わった軍医タコは、難しい顔で腕組みをしながら言った。

「そうですか……狼の中から銀玉が出てきて、クラゲが回収を……銀玉がなんなのか、わかりませんけれど……ところで蘭花、響子はどうしました?」

「え──と、牧場に放置してきました。本人がもうしばらく家畜生活を楽しみたいって言うから」

「そう……ですか……まぁ、響子本人が望んでいるのなら、それでいいんですけれど」

 その頃……響子は、動物半島の牧場から、家畜人間が引く荷馬車に乗せられて肉奴隷市場へと向かっていた……ドナドナドナド〜ナ、売られていくよぅ

【動物半島】終わり



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あきゅろす。
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