On your mark 第二十話 長い廊下の所々にある警報ランプは全て鳴り響き、あたりを赤く照らしている。二人はとにかく走った。 勝巳と正紀が向かったのは大学内の東棟。そこは物資輸送用装甲重トラックの配備所があり、正紀はあらかじめその内の一台のパスを入手していた。 「どわっ!」 廊下を走っていた勝巳と正紀に銃弾が飛んできた。 「う…うごくなあ!。」 銃を構えた研究員が突如襲ってきた。 一緒勝巳と正紀は驚いたが、すぐに相手がただの研究員とわかり再び走り出す。 「わあ!うごくなあ!」 研究員が再び発砲する。勝巳と正紀は構わず走った。 あんな震えた手で銃を撃っても当たるわけがない。 すれ違いざまに研究員を殴り飛ばした。 …寝ているのか? これだけの大騒ぎの中でも彼女はまるで寝ているように目を閉じている。 勝巳は乱れた毛布を直した。 配備所までに三人の研究員と出くわした。だがいずれも貧弱者が少し頑張った程度の攻勢だったので二人(三人?)とも無傷で走り切れた。 「はあ…はあ……」 正紀は息を荒げながらライフルを取り出し放つ。 配備所の扉はあっさりと吹き飛んだ。 [前へ][次へ] [戻る] |