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ぬら孫×庭球
別れ
――ずっと続くと思ってた日常。

――無くしてから気付いた大事なもの。

――もう手に入らない家族からの無償の愛。







 その日も、いつもと同じだと疑わなかった。でも違った。

 学校から帰ると、家が赤く染まっていた。

(なんじゃ、これ!?…鉄臭い?)


 頭の中で警報が鳴り響く。入っては駄目だと気付いていても足は進み続ける。

 嫌な予感は強くなるばかり。緊張のせいで荒くなる呼吸。整える間もなく、熱にうかされた様に手はリビングへと続く扉のドアノブを握っていた。

 扉を開くとリビングは一面赤く染まっていた。

「何で…母さん!父さん!姉貴!雅樹!どこじゃ!?無事なんか!?返事しt…「何だ、まだ居たのか」!」

 混乱する雅治の後ろから聞こえたのは、知らない男の声だった―。慌てて振り向こうとしたが、それよりも男の足が雅治の背中を蹴りつけた。

「グッ!」

 蹴り飛ばされた雅治の視界に入ったのは、血の気の失せた大切な家族の姿だった。

(―…ソファの影で見えなかったんか…)

 現実離れした出来事の連続に、思考は冷静になっていく。又、家族のこんな姿を見て冷静になっていく自分が嫌だった。

「何だぁ?泣かねぇのかぁ!?冷てぇガキだなぁ!?ああ?」
 

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