ぬら孫×庭球 2 ――羽衣狐 転生妖怪であり、京妖怪の長。この世全てを支配しようと目論んでいる、花開院家の宿敵。 そう雅治は聞いていた。 「うん、合ってるよ。そして本家にかけられた呪いを解く為に、僕らは何としてでも羽衣狐を倒さなければならない!」 堅い決意を目に宿し、秋房は言った。 「―僕は妖刀造りに長けていたから本家へ養子として入った。僕には守れるだけの力がある。そして僕が必ず羽衣狐を倒す!だから、僕の覚悟の証として雅治に最初に造った刀を貰って欲しいんだ…。 ――ダメ、かな?」 強く宣言した時とは一変して、弱気になる秋房に雅治は慌てて頷いた。 「(ハッ)ううん!ダメじゃなか!!秋房がずっとその為に頑張っとるの知っとおよ。…じゃけど、それを直接言われるとは思わなかったんじゃ」 刀を握ってる秋房の手に自分の手を重ねて雅治は続ける。 「秋房なら絶対に出来る。俺に言ってくれてありがとう。刀、大事にするからなっ!」 雅治の言葉に秋房は笑顔を浮かべた。 それからも、二人はたびたび会って楽しい時間を過ごした。 だが、それはある日終わりを迎えた。 [*前へ][次へ#] |