ぬら孫×庭球
妖刀―華霞―
あれから、たまに二人は一緒の時間を過ごしていた。学校の事、家の事、妖怪の事、趣味の事など、お互いの生活スタイルは全くと言ってもいいほど違うのに、不思議と話しが途切れることはなかった。
そんなある日、秋房は雅治へ刀を差し出した。
「?」
不思議そうに首を傾げる雅治を見て、秋房は微笑みながら説明した。
「フフッ、これはね、僕が初めて造った刀なんだよ」
初めて造ったという刀を愛おしそうに撫でながら秋房は言った。
「!これ、秋房が造ったんか!?凄いのぉ…」
秋房の言葉に雅治はマジマジと刀を眺める。心なしか、目がキラキラと輝いている様に見える。
「(なんか、照れるな…)あ、ありがとう///でね、この刀を雅治に持っていてほしいんだ。」
予想だにしなかった言葉に、雅治は目を見開いたまま暫く固まっていた。…それ程驚いたのだろう。
「お、俺がか!?」
驚きの余韻が抜けないまま、少し吃りながら聞き間違いじゃないのかと秋房へと確認する雅治。
表情がコロコロ変わる友を微笑ましげに見た後、真剣な顔をした秋房は話し出す。
「――僕たちが倒すべき敵゛羽衣狐゛の事は話したよね」
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