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ぬら孫×庭球

side秋房

 ――僕が八十流から花開院へ養子入りしてから数年後の事だった。

 その日、僕は妖刀造りの修行ではなく実践的な修行をしようと、時たま妖怪が出没する地域の見回りをしていたんだ。見回りを始めてすぐに数匹の妖を見つけたけど、一匹だけ逃がしてしまった。追いかけると妖は公園へと入って行った。
 
 僕が妖を見つけた時には、人を襲おうとする直前だった。

 ―正直、退治が間に合ったのにはホッとした。

 安堵のため息を噛み殺しながら、襲われそうになっていた少年の方へと足を進めた。
 
(…まるで……月、みたいだ…)

 そこに居たのは、銀の髪に碧の眼をした…儚いイメージの小さな男の子だった。

「…今の、おまんが助けてくれたんか?」

 そう聞いてきた少年は警戒している様だ。

「(猫みたい…)クス…うん。僕、陰陽師だからね。―君は?大丈夫?怪我してない?」

 「…おん。お前さんが助けてくれたんで怪我はなか。おおきに。―俺は仁王雅治じゃ。おまんは?」 

 少年―基、仁王は僕が笑った事に少しムッとした様だったが、きちんとお礼を言ってきた。

 それにしても、怪我が無くて良かった。今度こそ僕は安堵のため息を吐いた。

「仁王君に怪我が無くて良かった!僕は、花開院秋房。よろしくね」

「おん。雅治で良かよ。君付けもいらんからの、秋房」

「!うん。よろしく、雅治!」

 それから暫くお喋りを楽しんだ後、暗くなるとまた危ないからとそれぞれ帰ることにした。

「またの、秋房」

「またね、雅治」

side秋房 end

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あきゅろす。
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