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ぬら孫×庭球
2
「ひぇっひっひっひっそうじゃ悔やめ女!!自ら愛した男を刺したんじゃぞ?」

 茂みから大きな目の妖怪が出てきた。

(―どういう事だぁ…゛自ら愛した男″だと?って事はこの子は山吹乙女そのものって事か?だが、何故だ。
 ――後ろで誰かが糸を引いてるのか?コイツか?それとも他の誰か?)

「ああああぁああああぁぁ」

「出来なかった偽りの子のふりをしてな!!あ
っひゃっひゃっひゃっああ!!!」
 
 今もなお苦しんでいる乙女と、それを笑う後ろの妖怪をどうにかしなければ。少し離れた所にはリクオも居るのだ。


「そうじゃ妾は゛待ちかねた″のじゃ!あははは」

 乙女の言葉に空気が凍った。

 ――乙女の言わないであろう言葉を吐くコイツは誰だ?

「お姉ちゃん、誰……?そこに居るのは…誰?

        お父さんを刺したのは、誰?」

 まずいと思った。怪我をしていてはリクオを守りきれないかもしれない。ならば…―

「リクオ!家に戻って首無たちを呼んで来てくれ」

 リクオを逃す。上手くいけば応援が間に合うかもしれない、そんな思いだった。そしてリクオの背が小さくなって行く。

「うふあはははは!妾は羽衣狐。今再びこの世を妾の物にする日が来たのじゃ。そして、千年前の悲願を達成させるのじゃ!」

「羽衣狐ねぇ。親父から話は聞いてるぜ?だが何でリクオを見逃してくれたんだぃ?」

 羽衣狐をは鯉伴をチラリと横目で見てから口を開いた。

「ふん。お主らぬらりひょんは好かぬ。妖との間に子が成せぬように呪いをかけようとも人と結ばれ呪いをよける。本に忌々しい奴らじゃ。主らぬらりひょんなど殺してやりたいと思う。だが、妾も親だからの、子を失う悲しみは知っておる。だから今回だけは見逃してやるが、次は無いぞ」

 羽衣狐の言葉に安堵の息を吐く。この言葉が真実なら、リクオは無事に家まで行けるだろう。

「へぇ、優しいじゃねえの。オレも見逃してくれんのかぃ?」

 ニヤニヤ笑いながら羽衣狐と対峙する。顔は笑っているが、内心冷や汗物だ。片腕が使えない状況でこんな大物と闘うなんて勝てる見込みが薄い。ゴクリと唾を飲む音が大きく響いた気がした。


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あきゅろす。
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