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涼宮ナツキの策略
第75話
翌日早朝。眠い目をこすりつつ制服を着て、いつもとは違う通学路を歩いていた。もちろん制服を着て歩いてるのは俺だけで、時々通り過ぎる人は不思議そうに俺を見ては通り過ぎていく。

昨日はいつものSOS団部室と化した美春の家の前に立ち、一つ深呼吸して気持ちを落ち着かせる。そしてインターホンを押すと、インターホンからではなく家の中から返事が返ってきた。

「いらっしゃーい、どうぞ入って」

朝から元気な美春の姿が玄関から覗いた。少し調子が狂ってしまう。

「お邪魔します」

「どうぞ」

と返したのはみくるさんで、みくるさんも今から遠足に行くような子どものようにうずうずしているようだった。やれやれ、緊張していた俺がバカみたいだ。

「あの、つかぬ事を聞きますけど、ここには何もないのにどうやって過去に行くんですか?」

家の中にはタイムマシンのようなでっかい乗り物もなければ、ワープできるような穴があるわけでもない。こんなので本当に行くことが出来るのだろうか。

「まぁまぁ、そこのいすに座ってみてよ」

美春が自信満々の様子で俺をいすに促す。言われるがままいすに座るが、いすに座って何が起こるんだ?全く想像がつかん。

「じゃあ、目を閉じてリラックスして」

息がかかるほど顔を近づけ美春は言った。言われるがまま目を閉じる。

「ちょっとクラクラするかもしれないけど我慢してね」

ちょっと待て!と思った頃にはもう遅かった。不意の暗転、立ちくらみの強烈なやつが俺の意識を奪い去った。完全なブラックアウトが訪れる間際、やめときゃよかったと強く思った。

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あきゅろす。
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