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涼宮ナツキの策略
第6話
「あんたね、あたしの体なんだから身だしなみくらい整えてきなさいよ」

知らねえよ、なりたくてなったんじゃないんだからな。こっちの迷惑も考えてみろってんだ。

「あたしの迷惑も考えてみなさいよ。なりたくてこんな体になりたくなかったわよ」

嘘つけ、お前がなりたくてなったんじゃないのか?こういうことの類はお前が絡んでること間違いなしだからな。

「何か言った?」

「別に」

それから朝のホームルーム開始のチャイムと同時に親父が入ってきて、適当に話し始める。

「今日は特に連絡することもないな。じゃあ今日も一日元気に過ごすように」

と言って教室を出て行く。いつものことだがえらく適当な話だな。まあ、しつこくグダグダ言われるよりは数倍いいけどな。

「一時間目ってなんだっけかな」

と、寝ぼけた頭の思考回路を必死に回す。その結果、一時間目は体育という結果にたどり着き、丸め込んだ体操服を鞄から取り出して教室を出ようとすると、

「どこ行くの?」

鞄を担いだナツキが俺を制す。どこって着がえに行くんだけど?

「あんた、今あたしの体なんでしょ。ここで着がえなさいよ」

あ、そうだったっけか。今はお前の体にいたんだっけか。

「お前は着がえに行かなくていいのか?」

と、ナツキに尋ねると、ナツキは鞄を顔に当て、

「だって、あたし……」

と言って顔を赤らめた。すると、周りの女子の皆さんの視点が俺の体に集まり、俺は無理矢理ナツキの背中を押して教室から追い出した。

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