涼宮ナツキの策略
第47話
とりあえず今日の昼飯は、ナツキのジュースと、ナツキの赤らめた顔で、俺はそれだけでなんとなくおなかいっぱいになってしまった。
頬杖をつきながら午後一発目の授業を聞いていると、俺はペンを回しながら俺の実行しようとしている計画を改めて計画しなおしていた。
頭の中でシュミレートしてみる。美春に過去に連れて行ってもらい、それからナツキが階段から落ちそうになる瞬間に俺がナツキを助けてやればいい。だけど、そう都合よくいくものだろうか。時間ぴったりに自然にナツキを助けるなんてことが出来るんだろうか。
いいや、弱気になるなよ俺。美春は俺のために未来に行ってくれてるんだ。あいつの努力を踏みにじることはしたくない。
とはいえ、イメージトレーニングをどんなに積み重ねても成功するとは限らない。俺は机に立てていた腕を今度は目の前にもって行き、視界をさえぎった。目の前が真っ暗になり、なんとなく落ち着きを感じていた。
そして、美春のメールの本文を思い出す。
「今から行ってくるね」
そういえば俺、美春に言ってたっけかな?
「気をつけて行ってこいよ」
俺は視界をよみがえらせると、いつの間にかずいぶん進んでいた板書を追っかけることにした。
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