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涼宮ナツキの策略
第43話
ちょうど時間がいい感じになった頃、俺は余計な手を込んだことを悔やんだ。ヤバイ、マジでヤバイ。早く準備しないと遅刻してしまう。

俺はない腕を存分にふるって、大量に作りこんだサンドイッチをタッパーに入るだけ入れて、余ったいくつかを口の中につっこみ、そしてそれでも余ったいくつかをラップに包んで冷蔵庫につっこんだ。

「いってきます!」

誰もいない空間に、一応出かけの挨拶をして、俺は鞄を担いで飛び出した。いつもより重たい鞄が、かなりの負担になっている。

振り上げる腕、振り上げる足、どんなに必死に走っているのにもかかわらず、そびえたつハイキングコースに俺は息を切らすどころか、オーバーヒートした車のエンジンのような感じで、一歩を踏み出すのに逆に時間がかかる。携帯を開くと、すでにデットラインまで5分を切り、俺の周りの奴もデットラインを越えまいと必死こいて走っている。


ゴールまであと数十メートル、時間はもうそんなに残っていないだろう。ゴールテープを無事に切って勝利の杯を交わしたいぜ。

ゴールには門を閉めようとする親父の姿があった、そしてまだチャイムが鳴ってないのにもかかわらず、半分門は閉められていた。

俺は今まで走ったことないスピードで駆け込んだ。それと同時にタイムリミットを告げるチャイムが鳴り、俺は薄くなった体中の酸素を供給していた。

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