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涼宮ナツキの策略
第3話
というわけで今の状態に至る。ナツキの体を借りた俺は一人ナツキの部屋にいるわけだ。普段のこいつならどーってことはないんだろうが、中に入っているのは俺なわけだからそわそわしているわけだ。体は女だけど中身は男だからな、少し興味と言うものも沸くわけだよ。分かるだろ?俺だって健全な男子高校生だ。今は少し違うけどな。

意味もなく息を呑む。一人しかいないのに妙な緊張感が部屋を包み込む。

「おーい、ナツキ。飯ができたから降りてこいよ」

その言葉で空気が崩れた。そのせいで俺は、一線を越えられなかった。いや、ナツキが見てないとはいえ、この一線を越えるのはちょっとまずい。逆に感謝すべきなんだろうな。

ちなみにさっき俺を呼んだのは、ナツキの父親の智樹さん。この家には智樹さんとナツキしか住んでいないらしい。母親は小さいときに亡くなったみたいだ。別に誰から聞いたわけではないが、仏壇に若い女性の写真が祭られていたんだから高校生にもなれば、そのくらいの理解はできるだろう?

というわけでナツキはこの親父さんに大切に育てられた愛娘と言うことだ。まさに父親の鑑(かがみ)だな。はっきり言ってうちの親父とは豪い(えらい)違いだ。

「はーい」

俺はナツキのように振舞う。さて、この制服はどうやって脱げばいいんだろうな。

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