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涼宮ナツキの策略
第25話
で、とりあえず順調に授業をこなす俺。午前中の授業も無事に終えて、俺はとりあえず二人の人物を呼んだ。

「屋上なんてひさびさー。結構いい眺めなんだね」

「何で寒いのにこんなとこで弁当なんか食わなきゃいけないんだ?」

二人は別々のリアクションをする。ちなみに前者が朝倉で、後者が国木田だ。とりあえず話がしたかったし、美女二人と飯も一緒に食えるんだから一石二鳥だろ国木田。

「委員長はともかく、キョウはキョウだろ?涼宮さんの顔してても中身がキョウじゃな」

どういう意味だそれ。確かに中身は正真正銘の男だが、遠まわしにいやみ言ってないかお前。

「さあ、弁当食べよ。腹へっちまったよ」

さりげなくはぐらかす国木田に、俺は納得いかないまま手に持った購買のパンの袋を開けた。

「委員長の弁当おいしそうだね」

朝倉の膝に置かれた小さい弁当箱は色とりどりのおかずが詰っていて、ホントにうまそうに見えた。

「食べてみる?」

と朝倉が言った瞬間に箸をつける国木田。オイ、失礼じゃないか。

「うん、おいしいよ。これ自分で作ってるの?」

大して噛まずに飲み込まなかったか?味わって食えよそういうもんは。めったに食えるもんじゃないんだから。

「一応ね。自信はないんだけど」

とか言いながら結構うまそうだぞ、見た目はな。

「食べてみる?」

朝倉は弁当箱のメインデッシュ格のから揚げをフォークに突き刺すと、俺の顔の前に近づけた。えっと、食ってもいいってことか?

「早く食べてよ。腕が疲れちゃう」

朝倉のから揚げを一口で口に入れた。ふーん、結構料理うまいんだな。

「ありがと」

朝倉はそう言って顔を赤らめた。そういえば俺さりげなく朝倉と間接キスしてないか?ナツキの体とはいえ、女の子と間接キスなんて俺はしたことない。

そんな馬鹿げたことを考えているうちに、俺は寒空の中で体が熱くなっていた。

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