涼宮ナツキの策略
第23話
平和な時間もそう長くは続かない。学校に着けば俺はマシンガンやらの弾が飛び交う戦地を必死に匍匐前進(ほふくぜんしん)している兵士のような状態だ。学校につけば何かしらめんどくさいことが起こるんだ。特にこんな平和な時間のあとはな。
「あ、おはよ。キョ……」
下駄箱でたまたま一緒になった朝倉の口を、俺は獲物に食らいつくメスライオンのような速さで手でふさいだ。いきなり大声で俺のこと言ってんじゃねえよ。ただでさえお前らの組織中にばれてるってのに。
「ごめん、以後気をつけます」
「ならいい」
まったく、油断もすきもないな。落ち着いて溜息さえもつけやしない。
「おはよう、委員長」
そんな必死な俺とは正反対の国木田は、のんきに朝倉と挨拶を交わし、俺たちは教室に向かった。
「そういえばキョウくん、昨日のこと覚えてる?」
昨日のこと?なんじゃそりゃ。俺がまんまと一樹先輩の罠にかかったことか?それとも俺が何かしでかしたのか?
「ああ、忘れてるんならいいよ。あたし余計なこと言っちゃったからさ」
お前、昨日なんか変なこと言ったか?昨日はいろいろあったから、そんな小さなこと忘れてしまったよ。
「気にしないで。対したことじゃないからさ」
朝倉はそう言いながら頬を朱色に変えていた。俺は朝倉のそんな姿を見ながら頭に疑問符を浮かべながら教室に向かっていた。
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