[携帯モード] [URL送信]

涼宮ナツキの策略
第22話
「キョウもいろいろ大変だね」

「そう思うなら変わってくれよ」

「それはできない話だな」

こいつも相変わらずだな。まあいいけどな、こいつらしくていいと言うか。

「まあいいさ。この生活にも大分慣れたしな」

正直慣れたくもなかったけどな。ナツキに振り回される生活も、そして、この体のこともな。でもまあ、悪くはないよ。お前に殺されかけたり、意味不明な空間に閉じ込められたりなんて、俺以外に経験した奴はいないだろうしな。

「俺のことは忘れてくれよ」

国木田は苦笑しながら言った。忘れられねえよ。あれがお前と本当の親友になれたきっかけだからな。今では逆に俺を守ってくれているだろう?

「そうだけどさ、俺は何かスッキリしないんどよ」

「気にすんな。俺はお前を怨んじゃいない。逆に感謝してるんだ」

俺がそう言うと、国木田は大笑いし始めた。何か俺面白いこと言ったか?

「ああ、爆笑ものさ」

国木田は腹を抱えて笑っている。お前の笑いのツボはわけが分からんな。

「でも、ありがとな。こんな奴の親友なんてなってくれて」

国木田の目からは笑いすぎたのか知らないが、一筋の涙が流れていた。当たり前のことさ、お前が俺の親友でいてくれるんなら、お前も俺の親友だからな。一応、谷口もな。

「まったく、キョウらしいよ」

目を擦り、微笑を浮かべる国木田。お前ずっとその顔してろよ。そこらの女子がほいほいついてくるぜ。

そんなありきたりな朝が、俺にとって一番ほっとできる瞬間で、久々に落ち着くひとときだった。

[*前へ][次へ#]

2/20ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!