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涼宮ナツキの策略
第1話
本当にいつもの日だった。ナツキが暴れまわるでもなく、美春がドジを踏むわけでもなく、長門さんが影で活躍するわけでもなく、一樹先輩の笑顔が崩れるわけでもない普通の日で、俺は特に活躍することもなく学校生活を送っていた。

11月ともなると時たま北風が吹きぬけて、ブレザーの下にセーターを着ようか、まだ様子を見るべきか迷っていた頃の話だ。

今日もいつものように部室で戯れ、あとは帰るだけだった。施錠を長門さんに任せて、俺は団長様と部室を出て靴箱に向かっているとき、

「あ、忘れ物してきたんだった」

ナツキがそう呟いて俺を見つめる。言われなくても分かる、着いて来いということだろ?もう半年の付き合いになるんだ、こいつのことはそれなりに把握しているつもりだ。

「分かったよ。着いていくからそんなに見んな」

ぶっきらぼうにそう言う俺。何を考えているわけでもなく、何を思っているわけでもない。ただ、そう言ってしまったんだから仕方ないだろ?

教室に向かい、そしてナツキは自分の机の横にかけていた体操服を肩にかけ、俺たちは再び靴箱に向かう。

そしてその途中、事件が起こる。

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