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涼宮ナツキの策略
エピソード8
 と思うのは、間違いだったのかもしれない。
 荷物を片付けて資料に手を伸ばすと、たくさんワケの分からない文字やグラフや記号が書いてあった。一応日本語みたいだけど……。
「いくちゃん、これなんだか解る?」
 資料を見て青ざめたあたしに対して、いくちゃんはあたしの資料を見ると余裕綽々で答えた。
「物質の摩擦ですね。習いませんでしたか? これは高校生くらいの問題じゃないですかね」
 いくちゃんの表情にあたしは言葉を失った。え、これって高校生で習うものなの? あたし全然解んないんだけど……。
 資料をペラペラめくると、慣性の法則だとか動摩擦力、いくちゃんに同じ様に尋ねてみたら、いくちゃんはやっぱりさらりと答えた。
 なんだかあたしは一人とんでもない場違いなんじゃないのかな? 資料を見ただけで目眩がするほど、あたしは勉強なんてできないもん!
「こんな時にキョウくんがいてくれたらな……」
 あたしはただ俯くしかできなかった。こんなの絶対無理だ! あたしになんてできっこないよ!
「さあ、行きましょう美春さん!」
 いつの間にかすっかりやる気に満ちているいくちゃんに対し、あたしはますますやる気をなくしていた。

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あきゅろす。
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