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涼宮ナツキの策略
第10話
とりあえず午前中の授業は無事に切り抜け、昼休憩を告げるチャイムが鳴る。ようやく一息つけそうだ。

「涼宮さん、そのプリントを職員室に運んで」

「あ、はい」

たまたま化学室の一番前に座っていた俺は担当の長門先生に用事を頼まれ、中学生くらいの身長の長門先生の後をついていく。

「少し話したいことがある」

職員室の長門先生の机にプリントを置くと、そう長門先生が言った。長門先生はちょいちょいと椅子を指差したので、俺は椅子をひいて座る。

「一体何ですか?」

正直腹ペコで、話なんて聞く余裕なんてなかった。でもまあ相手が長門先生だからな、逃げるわけにはいかないだろう。

「あなた、涼宮ナツキ?」

語尾が微妙に上がったんで、疑問文だと言うことがわかった。長門先生は俺から視線を外さない。話しにくい人だな。

「はい、涼宮ナツキですが」

俺は長門先生から視線を外す。しかし長門先生はピクリとも動かない。しばらくの沈黙の後こう言った。

「嘘はよくない」

俺は再び長門先生の顔を見る。じっと見つめる目に俺の顔が写る。この人にごまかしなんて無駄だな。全て見透かされてるような気がする。

「実は……」

俺は長門先生に昨日のことを語り始めた。

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