涼宮ナツキの策略
第9話
まあ、そんなわけで……無事に最初の授業も切り抜け、ナツキの体にも多少慣れてきたわけなのだが、
「何であたしこんな体にいるんだろ」
知らねえよ。お前がいきなりこけたからこんなことになったんだろ。
「別にあたしだってこけたくてこけたくなかったわよ。あーあ、早く戻りたいわ」
その意見には同感だが、えらく失礼な言い方だな。
「お前なぁ……」
と言いかけてやめた。どうせ何言ったって無駄だ。
「何よ、言いたいことがあんなら言いなさいよ。どうせたいしたことじゃないんだろうけど、溜め込むのは精神的に悪いわよ」
「別に、何でもねーよ」
逆に言ってしまった方が精神的に悪いような気がするからやめとくよ。どうせ言っても罵られるだけだからな。
それからナツキは首だけ後ろに向けていたが、会話の終了を意味したのか、窓の外から流れる雲を眺めていた。それから俺も空を眺め、流れる雲を眺め溜息をついた。
ホント、いつまで続くんだろうなこの生活は。
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