定期テスト(リリスさんのリク)
クリスマス企画 キョン&長門
それはある日の部室でのこと……
「おい、長門」
「何?」
珍しく読書をしていない長門は顔を上げずにいそいそとペンを走らせながら答えた。
「何をしているんだ?」
「試験勉強」
相変わらず原稿用紙一行にも満たない答えが返ってくる。いや、勉強してるのは見てたら分かるさ。何で部室でまで勉強する必要があるんだ?
「いい点がとりたいから」
「じゃあ長門くんがどのくらいの強者か試してみようではないか」
長門はコクンとうなずき、ようやくノートから視線を上げて、数学の問題集をパラパラとめくる俺を見つめる。俺はその問題集の一問に目が止まり、長門に問題を繰り出す。
「40人のクラスで、野球、サッカー、バレーボールが好きな者を調べると、野球が好きな者が19人、サッカーが好きな者が18人、バレーボールが好きな者が15人、野球とサッカー共に好きな人が5人、サッカーとバレーボール共に好きな者が7人、野球とバレーボール共に好きな者が6人、どれも好きでない者は3人いた。この時3つとも好きな者は何人いるか」
俺が問題を言い切った瞬間長門は、
「3人」
と液体窒素見たいな目で俺を見つめながら答えた。正解である。
「3人ですがっ!」
このまま引き下がれない俺は長門にちょっと意地悪な問題を出した。
「この問題はこの本の何ページにあるでしょうかっ!」
「282ページ例題183」
長門はページ数だけでなく問題番号まで答えやがった。こいつ丸暗記してやがるのか?
「私の勝ち」
表情には出さないが長門は嬉しそうだった。ちょっとムカつく。
「次は私が問題を出す」
俺は長門の冷たい視線を感じて唾を飲む。
「ヒューマノイドクイズ第一問」
あれ長門さん?楽しんでませんか?
「一台のバスがあります。このバスはどこ行きでしょうか?」
(A.バスはbathで風呂行き)
俺はない頭をフル回転して一つの答えを出した。
「黄泉行き?」
「そのバスは何か危険な香りがする」
ま、まあ確かに。乗ったら大変なところに連れてかれそうな気がするよ。
「ヒューマノイドクイズ第二問」
なあ、その変な名前やめてくれないか?
「寿司で醤油のことを何と言う」
(A.むらさき。常識だよね♪)
醤油?なんか特別な言い方があるのか?そーだな……
「ショウユー?」(Show you)
なんて事を口走ってみた。
「何を見せてくれるの?」
長門の視線が痛々しい。的確なツッコミをありがとうございます。
「ヒューマノイドクイズ第三問」
長門……なんかハマった?
「怪盗は何を盗んでいったでしょうか?」
(A.解答。無理があるなι)
怪盗が盗んだもの……そーだな。
「女物の下着?」
「それは怪盗じゃなくて変態」
長門の視線が零下100℃くらいに感じる。これはなんかもういろいろヤバいな。
長門はいつの間にか視線をノートに戻し、ペンをいそいそと走らせていた。
「長門?」
「……」
「長門さん?」
「……」
「有希ちゃ〜ん」
「その呼び方はやめて」
ようやく長門が反応した。
「あなたも勉強したら?」
「……はい」
それは部室が外より寒い冬の日のお話。
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