涼宮ナツキの退屈
第八話
投球練習もそこそこに、1番バッターのSOS団団長こと涼宮ハルヒが打席に立ち、審判のプレーボールの合図がかかる。試合開始だ。
とりあえず1球目、真ん中にまっすぐを国木田のミットに投げ込む。俺的にはいい感じの球だったんだが、母さんが振ったバットは芯を食らいボールは空に飛んでいく。完璧に長打コースだ。
ボールが内野に戻ってくるまでに、母さんはセカンドを踏んでいた。
「たいした球じゃないわよ!あたしに続きなさい!」
母さんのこの言葉で俺は遠慮という邪魔なレッテルを取り除いた。タイムを取り国木田に確認を取る。
「どうしたのキョウ?」
「変化球投げていいか?」
「別にいいけどさ。ということは僕がリードしていいの?」
「ああ、そうしてくれると助かる」
「早くしなさいよ!」
ナツキの怒鳴る声を聞くと、俺は国木田とのサインの確認をし、マウンドに戻る。さて、ここからが本当のプレーボールだぜ。
なんてキザなことを心の中で言ったのだが、後続はあっさりと倒れてしまった。みくるさん空振り三振、長門先生見逃し三振、それから親父も空振り三振。1回表の攻撃はあっさりと終了。俺は思わず拍子抜けしてしまった。
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