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涼宮ナツキの退屈
第十話
傍から見れば両手に華という状況なのかもしれないが、はっきり言って俺は蚊帳の外だ。女の子の話は俺には全く分からん。

長門さんの部屋に入るのは2回目だっけか。前は確か超能力が何とかって話を聞いたんだっけか?

「キョウくんはどんな感じ?」

「え?」

突然話を振られて無防備な俺はびっくりした。

「キョウくん話聞いてた?」

美春は俺の胸に指を当てて、

「ちゃんと聞いてないとダメだよ?」

俺はそのまま指で押されて一歩後ろに下がる。

「わりぃ、何の話してたんだ?」

「小説の話だよ。キョウくんは進んでるの?」

「さっぱりだな。お前はどうなんだ?」

「あたしも全然ダメ。よかった、仲間がいて」

美春と一緒か、ちょっとマジでやばいかもな。

「何か変なこと考えてない」

「いや、別に」

そんなやりとりを見ていた長門さんはくすくす笑っていた。何が面白かったのだろうか?

「ほんとキョウさんと美春ちゃんは仲がいいですね」

と、長門さんが言うと、

「そうかなあ?」

と、美春が首をかしげた。俺も全く同じ考えだ。

「だってそんなに仲がいい男女って恋人同士以外に見たことないですから」

「こ、恋人っ!?」

美春は驚きまくって、意味不明なことを言い始めた。

「俺と美春は小さいときからの腐れ縁ですからね。このくらい普通だと思ってたんですけど」

「そんな関係うらやましいです」

「そうですか?俺はこりごりですけど」

「むぅ……キョウくん酷くない?」

美春はぽかぽか俺を殴り始めた。それを見ていた長門さんはくすくす笑っていた。あの長門さん。笑ってないで助けてくれませんか?

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