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涼宮ナツキの退屈
第九話
強い日差しがあたしを照らし、少し暖かい日のことだった。今日はいつもの女性は来るだろうかと思っていたとき、部屋のドアが開いた。大きな袋を持ったいつもの女性が入ってくる。

「こんにちは」

少しずつこの人に心を許していることが自分でも分かる。この人が来たとき、あたしはなんだか嬉しい気持ちになるからだ。

「今日はプレゼント持ってきたんだ」

そう言って大きな袋をあたしに手渡す。あたしは一心不乱に袋のリボンをほどいて中身を取り出す。中に入っていたものは、大きくてかわいいうさぎのぬいぐるみだった。

「今日はあなたの誕生日だったよね?だからプレゼント」

そう言って女性は笑いかける。あたしの心からは何かがこみ上げてきて、目から一筋の枯れていたはずの涙が流れた。

「え?どうしたの?嫌だった?」

あたしは首を横に振る。そうじゃない。そうじゃないんだ。ただ、これが初めて人からもらうプレゼントでとってもとっても嬉しかった。だから、だから……

「あ……ありが……ありがとう」

それがあたしがこの人に発した初めての言葉だった。そして、あたしが最初で最後にお姉ちゃんの涙を見た瞬間でもあった。

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あきゅろす。
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