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涼宮ナツキの退屈
第五話
職員室の前というのは生徒指導室の次に威圧感を持ち、中に入る前はすごく緊張するのは俺だけであろうか?とはいえ、ただ突っ立っているわけにもいかず俺はノックをして中に入った。

「失礼します。みくるさ……朝比奈先生はいらっしゃいますか?」

そう言うと、近くにいた先生が取次ぎをしてくれてすぐにみくるさんが出てきた。

「お忙しいところすみません」

「いえいえ。いきなりお願いされて戸惑っているんでしょう?」

みくるさんは困った顔をして職員室の奥の部屋に入るように促した。へえ、職員室にこんな部屋があったんだな。

「コーヒーと紅茶どっちがいいですか?」

「あ、いえいえ、頼まれ事のことを聞いてすぐに帰るつもりでしたから」

「そうですか」

みくるさんは残念そうに肩を落として、俺とは反対側のソファーに座った。

「で、どうしたんですか?」

「実はですね……」

みくるさんが深刻そうな顔をするので、俺は背筋を伸ばして固まった。何かあったのか?もしかしてナツキに関係することなのか?ああ、それなら大いに頷けるな。そんなことじゃないとこんなとこに俺は来るはずもないからな。

「美春が風邪を引いてしまったんです」

「え?」

待ち構えていた俺が馬鹿だった。なんだそんなことか。

「昨日はピンピンしてませんでしたか?」

「そうなんですけどね。今日の朝体の調子が良くなかったみたいなんで、大事をとって休ませました」

確か『馬鹿は風邪を引かない』と言う言い伝えがあったとは思うがあれは嘘だったのか。でも『夏風邪は馬鹿が引く』とも言うしな。

「さすがの美春でも風邪は引きますよ。それで今日は今から重要な会議があるそうなんで帰りが遅くなりそうなんですよ。ですから、あたしが帰るまでとは言いませんから様子を見ていて貰えませんか?」

「分かりました」

それから俺は軽くみくるさんと話してから職員室を出た。

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あきゅろす。
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