涼宮ナツキの退屈
第四話
今日は午前中の授業だけで終わるので、4時間目の母さんの授業で終わりだ。余談になるが、この学校の男子どもは先生の好みが分かれているのは当たり前だが、いきすぎた野郎共が親衛隊を作っているらしい。ちなみにこのクラスの男子も何人か入ってるらしく、子供の俺は少し心配だ。
「で、この逆説のしかしはマークしといてね。重要ポイントだから覚えてないと死刑よ!」
死刑って……やりすぎじゃねえか?今のこの時代は死刑なんて滅多にないらしいし。
俺は教科書の音読している場所を目で追っかけながら聞いていると、教室を回る母さんがやって来て机の上に何か置いた。見るとそれは小さく折られた白い紙切れだった。何だ?こんなときにおつかいか?それなら授業が終わってからでもいいだろうに。
「はい、そこまででいいわ。じゃあこのアイデンティティの活用がどう意味するかを考えてみましょう」
母さんは何事もなかったように授業を進めるので、俺はその紙切れを開いた。あれ?これ母さんの字じゃないな。えーと、
『キョウくんへ――今日は帰りが遅くなるので悪いんですが美春の面倒を見てあげてください 朝比奈みくる』
どういうことだ?美春の面倒は昨日も見たはずなんだけどな。まあ、みくるさんの頼みなら仕方ない。いつもお世話になってるんだしな。
そして終業の合図のチャイムが鳴り、
「じゃあ今日はここまで。次は新学期に会いましょう」
と、母さんは言った。そう言われても俺は毎日顔を合わせているからなぁ。
「キョウ!久しぶりに部室行きましょ」
「今日はみくるさんに頼まれごともらってるんだ。悪いんだけどさナツキ、今日は欠席していいか?」
「それなら仕方ないわね。ただし今度オゴリね」
「なんでだよ!俺は帰るからな。じゃあな」
俺はナツキに手を振って、教室を足早に出た。
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