涼宮ナツキの退屈
第二話
「よお、元気してたか?」
俺の後ろの席を陣取っている涼宮ナツキに話しかける。ナツキは普段と何も変わらない様子で腕組みをして座っていた。
「まあまあね。あんたは?」
「少し眠いかな」
「何よ。だらしないわね」
「昨日美春に捕まってたんだよ。宿題教えてくれって言うからさ」
「へえー」
ナツキとの朝の会話も久々だな。そういえばこんな会話いつからし始めえてたんだっけ。ずいぶん前からの気がするんだけどな。
「おはよう。おお、みんなサボらずに来たな」
そして親父が入ってくるのを合図に会話を終了するのもお約束だ。それが日課となったのはSOS団が設立されてだったかな?
「はい、じゃあ宿題集めるぞ。後ろの人集めてきて。ちなみに忘れたやつは校庭50周だからな」
夏休み前にもそんなこと言ってたな。体罰が禁止になってるこの時代、親父は関係なしに生徒を小突いたりするのは時代の流れが原因なのだろうか?しかしながら親父は生徒から信頼を得る方法も会得している。これも時代の流れを乗ってきた親父だからこそできる業なんだろう。正直そういうところは尊敬する。
「うし、じゃあ久々に授業するぞ。教科書87ページ開いて」
その親父の背中を見られるのはあとどのくらいなんだろうな。黒板の前に立つ親父の大きな背中が見られるのは……
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