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涼宮ナツキの退屈
第二十話
俺たちは倉庫の前に立ち、ドアノブを捻る。しかし扉は開かない。

「あれ、おっかしいな」

「鍵がかかってんのか。ってあれ、鍵は盗まれたんじゃ」

その途端、ナツキは体をひるがえし走り出した。

「どこ行くんだよ!」

「校長先生のとこ!何か知ってるんじゃないかと思って」

「ちょっと待てって」

俺はナツキの後を追った。

「ってあれ校長先生?」

ナツキが屋上のドアを開けると校長が立っていた。

「こんなところに二人でどうしたんですか?」

「いえ、倉庫の扉が閉まってたんで。何か知ってるんじゃないのかと思いまして」

「これのことですか?」

校長はポケットから鍵を取り出しちらつかせた。ナツキは驚きを隠せないようで、もちろん俺もそうである。

「なんで鍵を持ってるんですか?」

「倉庫の隅に落ちてたんです」

倉庫の隅?というか、鍵が倉庫の中にあるのに犯人はどうやって鍵を閉めて出て行ったんだ?

「で、校長は何でここに?」

「少し用事がありまして」

「用事ってなんですか?」

「たいした事じゃないんですけどね」

校長は苦笑しながら答える。何か怪しいな。

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あきゅろす。
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