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涼宮ナツキの退屈
第十五話
二日目、天気は急に嵐になった。

横殴りの雨が建物の壁を叩き、強風に吹きすさぶ音が耳に不吉な音となって聞こえている。別荘の外の木々は大きく手を振っているように横に揺れている。

「ついてないわねー。こんな時に台風が来るなんて」

ナツキがこぼすように言っている。ナツキの部屋に全員が集まり今日は何をして過ごそうかと話しているところだ。

「でもさ、ほんとに何か起こりそうよね。やっぱ起こるかもしれないわね、事件」

ぴくんとする長門さんや美春は不安そうに目を泳がせるが、俺や一樹先輩は平常心だ。

「でも雨じゃ外に出れないし、ここでボーっとしててもつまんないし、どうしよっか?」

そんなことをナツキがつぶやいていると、ドアがノックされた。扉を開けるとそこには不安そうな顔を浮かべた母さんの姿があった。

「どうしたの?お姉ちゃん」

「キョン知らない?部屋にいなかったのよ」

「先生?知らないわね」

部屋を見渡すとみんな疑問符を浮かべている。もちろん俺もだ。

「早速事件かしら?ちょっと興味深いわ」

お前がそう言うとほんとにそんな感じがするから嫌だな。ほんとのところ、腹を壊してトイレにこもっているか、朝風呂に入ってるか、そんなとこだろう。

「みんなで探しましょ」

いつの間にかナツキの腕には名探偵の腕章がつけられていた。

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あきゅろす。
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