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涼宮ナツキの退屈
第十一話
さて、ここで別荘内の見取り図や部屋割り図を提供したいところなんだが、俺にはあいにく絵心ってものがない。簡単に説明すると、俺たちが宿泊するのは二階の部屋、親父や母さんたちの部屋が三階にある、ということになっていた。

「部屋は自由に使っていいですよ。部屋の広さはあまり変わりませんがシングルとツインがあります」

さてどうするか。俺はたぶん一人部屋か一樹先輩と相部屋だろう。メンバーは五人なので二つに分けると一人あまりが出てしまう。

「まあ、一人一部屋でいいわね。」

ナツキが最終結論を出した。

「どうせ部屋にいるのは寝るときだけでしょ?あ、鍵はかかりますか?キョウがあたしの部屋に侵入するといけないので」

何言ってんだ。俺が侵入するならもちろん長門さんの部屋に決まっているだろう?

「はは、そうだね。オートロックで締め出されることはありませんが、もちろんかかりますよ」

校長は苦笑を浮かべてうなずいた。

「部屋のサイドボードにかけてあります。できればなくさないでほしいですね」

俺には鍵なんて必要ないがな。いつも部屋に鍵を閉める習慣もないし、もしものことがあって長門さんが入ってくるかもしれない。金も必要もなかったから財布も持ってきてないし、もしも何か盗まれでもしたら犯人は間違いなくナツキに決まりだ。

「では僕は涼宮さんたちの様子を見てきますね。それと非常経路の確認を怠らずに。夕食まではまだ時間に余裕がありますから自由に楽しんでいってください」

校長はそれだけ言って階上へ向かった。

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