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涼宮ナツキの退屈
第十話
その別荘とやらは、見た目は案外普通であった。

太陽はそろそろ斜めに傾きだす頃だが、日がくれるのにはまだ早い。日中の日差しは別荘を照らし、俺には輝いて見えた。なんせ、別荘なんて障害無縁の存在だと思っていたからな。

切り立つ崖の上に鎮座しているその建築物は、ヨーロッパの貴族が住んでいそうな、まあ少し古いようだがそんな感じの建物だった。

案の定、ナツキはトンカツだと思って食べたらタマネギフライであったような顔つきとなって、その別荘(ナツキ的には館)をまじまじと見ていた。

古泉校長が扉の鍵を開け、大きな扉が開く。中もすごかった。本当にどこかの上級貴族が住んでいそうな、そんな内装だった。

「さあどうぞ。洋風だから靴のままでかまいませんよ。まずは部屋に荷物を運んだ方がいいですかね?」

「あ、あたしたちは大丈夫よ古泉くん。何回か来たことあるし」

「そうでしたね。では、うちのかわいい生徒たちをお部屋までご案内しましょう」

ということは、母さんたちはこんな別荘に何回か泊まったことがあるのか。実は相当古い建物なのかもな。探検とかしたら、忘れられた財宝とかが眠っているかもしれない。

俺たちは古泉校長の後を追って、部屋まで案内してもらった。

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あきゅろす。
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