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涼宮ナツキの退屈
第六話
二等客室、フラットルームの一角を陣地とした俺たち面々は、幕の内弁当を食べながら会談を行っていた。

「あとどれくらいで着くんですか?」

珍しくナツキが敬語を使っている。まあ相手が校長だからな。

「このフェリーで6時間ほどですかね。到着した港でクルーザーを用意してありますから、それに乗り換えて30分ほどの航海ですね」

ナツキは古泉校長の言葉をそわそわしながら聞いていた。

「島!館!うん、合宿にもってこいの場所よね」

どこがもってこいなのか教えてほしいね。暇潰しにはいいかもしれない。

波に揺られる以外することもないので、俺たちはナツキ発案によるババ抜きを楽しんでいた。10人でやっていたからたまにこういうことがある。

「あれ?キョウ、カードは?」

「全部出したが?」

「引いてもないのに終わっちゃったの?」

「そうみたいだな」

なーんて事が2、3回起こって、なかなか面白いものだった。


ババ抜きに飽きたのか、今度は大富豪をおっぱじめたナツキをよそに、俺は鞄を枕にして横たわった。朝も早かったことだし、少し眠ることにしよう。

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