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涼宮ナツキの退屈
第五話
気前のいいことに宿泊費用はタダなんだと言う。食費も行き帰りのフェリー代もロハでいいらしい。全部古泉校長が出してくれるとか言ってたな。校長ってそんなに儲けられんのだろうか。

そんなことはまあいいや。夏休み初日、つまり合宿当日。俺たちは朝も早くからフェリー乗り場に集合した。俺たちというのは俺にナツキに長門さんに美春に一樹先輩と親父に母さんに長門先生にみくるさんに古泉校長の新旧SOS団のことだ。

「フェリーに乗るなんて久しぶりね」

サンバイザーを斜めに被り、ナツキは波止場の際で潮風に黒髪を遊ばせていた。

で、俺はというと。

「そういえば、一樹先輩と校長って同じ苗字ですよね」

一樹先輩にさりげなく今まで疑問になっていたことを聞いていた。

「そうだけど、なんだい?」

「親子なんですか?」

「いいや、違うよ。遠い親戚らしいけど、詳しくは知らないんだ。長門さんの入ってる機関のトップが校長だから、関わり合いがないということはないんだけどね。情報統合思念体のトップの長門先生と親交が深いみたいだし」

珍しく一樹先輩は歯切れが悪かった。じゃあ学校で毎日トップ会談なんてしてんだろうか?

「いや、よほどのことがない限りそんなことしないよ。もともと別の組織なんだから」

「そんなものなんですね」

「ほら、フェリーに乗るわよ!」

ナツキが大きく手を振りながら叫んでいたので、俺は荷物を抱えて乗り込むことにした。

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あきゅろす。
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