涼宮ナツキの退屈
第一話
今の俺は突っ立ったまんま、ただ唖然としていた。目の前の状況に俺は理解をすることができなかった。
窓の外が光った。数秒後、雷の重低音が響く。
「そんな……」
誰かがつぶやいた。誰の声かはわからない。なんで、どうしてこんな事件が起こったんだ?
縦に半分に切られた体、そして大量の血。俺は今にも吐きそうだ。
「キョン?……ねえ返事してよ」
母さんが体の元へ近づく。そう、その体は以前親父と引っ付いてあるはずだったものである。
俺はただこの状況を飲み込むことに精一杯だった。
また稲妻が光って部屋を照らし出した。昨日からの嵐は佳境に入っている。雷の音と共に、荒れた波が島肌を削る音まで着いてきた。
ここは孤島。それから嵐。そして切り裂かれた死体。
俺は思わずにはいられない。
なあ、おいナツキ。
この状況を作ったのはお前なのか?
俺はSOS団が総出でこんな場所に立ち会うハメになった、そもそもの原因へとフラッシュバックした。
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