涼宮ナツキの退屈
エピローグT
放課後になり、いつものように部室に向かう。壊れていたと思っていた校舎はどこも破損した部分はなく、俺が割った保健室と職員室のガラスも元に戻っていた。
「ちわっす」
といつものように部室に入るが、いるのは団長机を陣取っているデスクトップ型のパソコンとにらめっこするナツキだけだった。俺は思わず目を背けてしまう。
「ノックぐらいしなさいよ、びっくりするじゃない」
いつものナツキがそこにいて、俺はほっとした。
「何してんだ?」
団長机の方に回ろうとする俺を、ナツキは立ち上がって止めた。
「だめよ。まだ出来上がってないんだから!」
「いいじゃないか。俺のも見せてるだろ?」
「だーめ!」
そこにタイミング悪く、誰かが部室に入ってくる。
「うーっす」
身長の高い一樹先輩は、今の俺たちを見てどう思ったのか知らないが、へんなことを口走った。
「逢い引きですか?」
これがナツキの逆鱗に触れたのか、
「で……出てけー!」
と、やむなく追い出されてしまった。
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