涼宮ナツキの憂鬱
第一〇三話
長門さん、美春の変貌、一樹先輩の言うピンチヒッター、そしてナツキの消失……
さてこれからどうしたものか。俺のとるべき行動を誰か知ってるなら教えてくれ。どうせなら代わっていただきたいものだ。
とりあえず俺は今ベットの上だ。冗談半分で保健室に行って熱を測ってみるとほんとに熱があって、早退を余儀なくされた。まあ元気でも午後の授業なんか受ける気なんかしなかったからちょうど良かったかもな。
俺の視界には真っ白な天井だけが映し出されていた。漫画は読み飽きたし、こんなときにゲームってのもなんだし、やるとしたらただ考え込むことしかなかった。とは言ってもいいアイデアが浮かぶわけがなく、ネタが浮かばない小説家のように頭を抱えているわけだ。
俺の頭に浮かんだのはただ一つ、
──ナツキに会いたい
ただ、そう思うだけだった。それ以上もそれ以下もない、ホントの気持ち。
『シンデレラは知ってるよね?』
記憶されてた一言が頭で再生された。急に俺の目の前がぱっと明るくなった。でもなんでシンデレラなんだ?キーワードにしちゃ十分すぎる言葉だが、もう少しキーが足りない。
一瞬にして道は途絶えてしまった。でもこのキーは後々に重要な答えに繋がるはずだ。
俺はたまたま机の上にあったノートのすみにシンデレラという5文字を書き込んだ。
[前へ*][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!