涼宮ナツキの憂鬱
第四十九話
「ならあんたも配りなさい!」
と言われて校門前。へこへこしながらチラシ配りをやらされ、精神的疲労が蓄積され早く帰りたいと思っていたころ、
「ちなみに約束ってなんなんだい?」
いち早く配り終えた一樹先輩が俺のチラシを半分とって、いきなり核心を突くような事を言ってきた。
「なんでもないですよ」
「でもキミの顔かなり赤いよ」
え、マジで?
「い、いいじゃないですか!」
「そういうことにしておくよ」
一樹先輩はチラシ配りに戻っていった。この人なかなか侮れん……
そんなわけでチラシを配り終えるとナツキは、
「お疲れ様!キョウ以外は帰ってもいいわよ」
「は!?何で俺以外なんだよ」
「いいから、あんたはコッチに来なさい!」
ち、ちょっ待てよ!どこに連れていくつもりだ?
ナツキに引っ張られて部室に押し込まれる俺なのであった。
「で、なんなんだ?」
「あんた所心表明は見た?」
所信表明?ああ、あのプリントか。そういやまだ見てなかったな。
俺はポケットに入れているたたまれたプリントを開くと、そこにはこう書いてあった。
『SOS団設立に伴う所心表明
わがSOS団はこの世の不思議を広く募集しています。過去、現在、未来に関係なく不思議に関係する出来事がある人は我々に相談してください。必ず解決に導きます。連絡は副団長キョウより……』
あーなんとなくナツキがしたいことはわかってきた。だがな、
「副団長ってなんだ?」
「い、いいじゃない。あんたが適任だと思ったのよ!」
勝手に決めるな!っていうか、何で俺なんだよ。他のやつらでもいいじゃないか。
「あーもーうるさいっ!あんたにはビシビシ働いてもらうから覚悟しなさい」
ナツキは顔を赤くしてそっぽを向いた。
[前へ*][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!