涼宮ナツキの憂鬱 第五十一話 ついた先は北高の近くにある喫茶店だった。ここはたくさんの生徒に人気があってリーズナブルな価格で気軽に入ることができる。 「まあ座りなよ」 一樹先輩は何を考えているのか俺には全くわからなかった。 「早速本題だが」 5分もたたないうちにコーヒーが運ばれ、一樹先輩が真剣な顔に変わる。この顔はいつ見ても寒気がする。 「今日は悪かったね。いきなりあんなこと言ってもわけわかんなかっただろう?」 苦笑混じりで一樹先輩が言う。 「いえ……」 「実は俺、キミに言わなくてはならないことがあるんだ」 俺は息をのむ。一樹先輩の威圧感に圧倒されて、今にも逃げ出したい気分だ。 「実は俺、宇宙人なんだ」 え……?何を言ってるんですか一樹先輩…… 「正確には対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースというんだけどね」 「待ってください」 わけわかんねぇ、一樹先輩が宇宙人? 「一樹先輩が宇宙人なんて信じられません。俺に何が言いたいんですか?」 「うまく説明できないが聞いてくれ」 一樹先輩はふぅと息をはいて言った。 「涼宮さんと俺は普通の人間じゃないんだ。俺は涼宮ナツキという個体を観察するために作られた個体。コンタクト用ヒューマノイドインターフェース、つまり宇宙人だ」 それは聞いた。 「ただここ最近無視できないイレギュラーな因子が涼宮ナツキの周りで現れた」 「……」 「それがキミだ」 一樹先輩はコーヒーに口をつけた。 [前へ*][次へ#] [戻る] |