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涼宮ナツキの憂鬱
第四十一話
さて、太陽が南の空に上がった頃の話になる。

「けんちゃん!」

「ママぁ!」

けんちゃんのお母さんらしき人物が現れた。けんちゃんとお母さんはお礼を言って帰っていった。

「おにいちゃん、おねえちゃんバイバイ」

「ああ、じゃあな」

「バイバイけんちゃん」

けんちゃんとの別れを告げてしばらくすると、腹の虫が喚き出した。

「どっかで飯にするか?」

「そうね」

「じゃあファミレスでも行くか」

と言うわけで今にいたるのだが……

「ナツキ」

「何よ」

「あの、この方は?」

「新しい団員じゃないの」

ちょっと待て、いきなりそれはないだろう。ファミレスに入ってナツキが三歩進んだ先に座っていたこの子が新しい団員だと?

「あの、えっと……」

ウェイトレスのお姉さんがそわそわしている。当たり前だ、仕事中ナツキの隣に座ってんだからな。

「あの、仕事中なんですが」

「黙りなさい」

ウェイトレスのお姉さんがビクッとして固まってしまった。えーとナツキさん、その方はどなたですか?

「紹介するわ。長門亜紀ちゃんよ!」

紹介終わりかよ。っていうか、それは胸につけられた名札を見れば分かることだろうが。

泣きそうな顔でその女の子はビクビクしていた。

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