涼宮ナツキの憂鬱
第三十五話
ミーティングの後は特に語るようなこともなく、下校ということになった。ってことで美春との帰り道。
「はぅ〜緊張したよ」
部室での小さな小動物のような美春とは全く違う美春がそこにいた。
「全く情けねえなあ」
「だってぇホントに一樹先輩がいたんだよ」
「だから?」
「むぅ〜キョウくんは乙女心ってのがわかんないのかな?」
なんじゃそりゃ。そんなもんわかったら俺の周りには女の子がわんさかだぞ?
「変な顔」
「うっせーな」
まったくこいつは何を考えてんだろうか。
「キョウくんみたいに一樹先輩とも話せたらいいのになあ」
「んなこと簡単じゃねーか」
「そんな簡単なことじゃないよぅ」
美春は困った顔をして言う。そんなもんなのか?そういやこいつが男子と話してるとこ見たことないな。そういやこいつ人前ではなかなかしゃべられないやつだっけ。小さいころからこんな調子だから友達もなかなかできなかったんだっけ。
「お前は小さいころから全く変わんないな」
俺は美春の頭にポンと手を置き、ガシガシと撫でた。
「うぅーいじわる」
ああもうかわいいな。
「とりあえず話さないと前に進めないぞ?」
「わかってるよ!」
美春の言葉を背に俺は家の中に入った。
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