涼宮ナツキの憂鬱 第二十四話 ナツキに連れてかれた先は、 「2年3組……」 上級生のクラスだった。みんな背が高けぇなあ。なんか上級生ってだけで、こんなにかっこよく、美しく見えるのは一種の錯覚なのだろうか。 「入るわよ!」 ナツキに手をひっぱられ、引きずられながら教室の中に入った。もちろん突然の訪問+涼宮ナツキ効果でさっきまでがやがやしていた教室は静まりかえり、ついでに注目も買っていた。見せ物じゃねえんだ見ないでくれ。 「古泉一樹くんいる?」 古泉一樹(こいずみ かずき)って誰だっけ?聞いたことあるようなないような…… 「なんだい君達。俺に何の用かな?」 超ハンサムで背の高い男がそこにいた。あ……谷口に聞いたことあるな。サッカー部のエースストライカーで、二年生にして県選抜に選ばれた超有名人。まあナツキには敵わないと思うが。 「言いたいことはこれだけよ。あたしの部下になりなさい!」 おい待て、強引すぎる。そんなんで入ってくれるはずないだろ。 「君の頭は大丈夫か?俺は自分より格が上の人しかついて行かない主義なのでね」 古泉一樹の言葉はもっともだった。すると、ナツキは少しも怖気ず言い返す。 「だったらあたしがあなたより格が上って事がわかったらなってくれるのね?」 お前がそれを証明できるのか?というか男相手に喧嘩売るなよ。 「できるものならやってごらん」 って買っちゃってるし。どうすんだ、おい。 「じゃあ放課後、サッカーの1on1で勝負しましょ」 おいおい、大丈夫かよ…… 「俺が有利な条件で戦うのか?俺の勝利確実だね」 こいつもやる気マンマンだしっ。 「ふん、言ってなさい。あたしが勝つに決まってるんだから」 「返り討ちにしてあげるよ」 こうして、涼宮ナツキと古泉一樹の勝負がここに開催されることが決まった。俺知らねえぞ。 [前へ*][次へ#] [戻る] |