涼宮ナツキの憂鬱
第二十三話
ナツキにひっぱられ引きずられている俺なのだが、
「いいから離せ!俺は犬じゃねぇんだから」
そう言うと、俺の体は一瞬宙を浮いて、すぐに硬いものにぶつかって鈍い音がする。
「つってえ……」
いつも通り急に放すもんだから、受け身がとれずにしりもちをついてしまった。まあ前回経験したこともあって痛みはさほどなかったがな。
「で、今日はどこに行くんだ?」
「部員さがしよ」
「部員さがし?そこらへんのでいいんじゃないのか?」
「ダメよ。そんなのつまんないもん」
「だったらお前一人で探してろよ。俺は別に誰でもいいから」
「あんた協力するって言ったじゃないの」
はて、そんなこと言ったかな。俺は団員になってやると言っただけだが。
「団員の分際で団長に逆らうなんていい度胸ね」
ナツキは怒気のオーラを漂わせてポキポキ指をならしながら、俺に迫ってきた。なんつうか……怖え。
「んで、どんなやつがいいんだ?」
「宇宙人、またはそれに準じるなにかね」
またそれか。まったくこりねえな。んな奴らいるわけねぇっての。
「何人か目星はつけてるのよ。ついて来なさい」
俺は仕方なくナツキについていく。相変わらずナツキと一緒に歩いているとなんでこんなに注目をあびるんだろうな。
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