涼宮ナツキの憂鬱
第十九話
目覚めは良かった、だがいつもよりは体が重かった。なぜかは自分でもわかる。
(団員になってやるよ)
あんなこと言わなければよかった。涼宮ナツキと縁が切れるチャンスだったじゃないか。俺バカだなぁ……
「ええい、なるようになれっ」
俺はふっきれたように飛び起きた。
この家は朝が早く、俺が起きた頃にはもう学校に行っているか、玄関でいそいそと靴をはいているかのどちらかだ。ただ今日はいつもより1時間も早く起きてしまった。
「おはよ〜」
あくび混じりの声で挨拶する。
「あら?早いわね」
「ちょっとね」
母さんは朝食の準備をしながら、弁当も作っていた。
「今日は雨が降るかもな、ハルヒ傘あるか?」
「あのなぁ」
俺が早く起きることがそんなに珍しいのか。俺だって好きでこの時間に起きたわけじゃねーよ。
「あんた昨日帰ったら寝てたけど、体調でも悪いの?」
「別に?」
久しぶりに父さんと母さんの顔を眺めながらの朝食は、いつもの一人で食べる冷めた朝食より格別にうまかった。
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