涼宮ナツキの憂鬱 エピローグT その後のことを少しだけ話そう。 今日の昼飯は梅雨の晴れ間の屋上で、再びナツキ特製の弁当をご馳走になった。 「でさキョウ」 「なんだ?」 「夢の最後になんて言ったの?」 思わず吹き出してしまった。夢の最後ってあれか?そんなこと言えるわけないだろう? 「汚いわね」 「わ、悪い」 ナツキのハンカチで顔をぬぐう。もちろんほんのりラベンダーの香りがついていた。 「言わなきゃだめか?」 「あんたが言えるわけないじゃない」 俺はポカンとしていた。 「夢の中のあんたはわたしの想像上のあんたであって、あの、その……」 「どうした?」 「何でもないわよ」 俺はナツキ特製の弁当をほおばった。なんとか助かったのかなあ。でも、なんであんなことを言いそうになったんだろうか? 「うんまい」 ナツキの作ったハッシュドポテトは相変わらずうまかった。 [次へ#] [戻る] |