自給自萌
ティユウ
ユウナ一人語り、]エンディング後、]-2前あたりの時間軸
ねぇ、キミは今何処に居るの?
私、ずっと待ってるからね。
ビサイド島の浜辺で、私は一人、海を見ていた。
ねぇ、私、このビサイドの海がこんなに綺麗だなんて知らなかったよ。
……ううん、きっと、「あの時」の私の心が、この海を見る余裕を無くしてたんだ。
多分、このスピラに住む人々全員が今、そんな感じなんだ。
私の力だけでは絶対に不可能だった、『永遠のナギ節』
スピラのみんなは私のおかげだと言ってくれるけど、私の心はその度に違う、違うと否定する。
このナギ節の為に一番辛くて、苦しいことを引き受けたのは、キミ。
生きるはずのキミが消えて、いなくなるはずだった私は生きてる。
おかしいよ
本当なら、スピラのみんなの言葉はキミに向けられるはずなのに…
空が、青い。
いつの間にか浜辺に寝そべっていた私は、ビサイドの雲一つない青空を見ていた。
なんだかこの青…キミにぴったりだと思うんだ。
何でだろう?
ブリッツボールの青?
それとも、キミが泳ぐ海の青?
そんなことを考えていたら、何だか急に悲しくなって……
空が、歪む。
私はそれをごまかすように、キミみたいな青い空を掴む真似をした。
届かぬその手は空を掴む
大丈夫。キミはきっと、帰ってくる。
私、笑顔の練習をして待ってるよ。
. 100426
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