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華を咲かせよう
4.つくると終稀SS


(まだ3人が一緒に暮らしてた頃)


「つくー、つくるー?
おやつできたぞー?」

と、俺はつくるのために作ったホットケーキをダイニングに置き、つくるを探している。因みにあの生意気な弟は部活の試合でここにはいない。

俺とつくる…2人っきりなのだ。
そう、2人っきり←重要だから2回言う

「たっく、つくるはどこに
隠れてるんだ?」

とか、文句を言ってるが俺の顔は
にやけが止まっていない。
しょうがないだろ、大好きなつくると一緒にいられる。すっげぇ嬉しいことなんだから。

「最近はあのくそジジィからの呼び出しが多いからな…。杏の奴に独り占めさせてばっかだったし」

俺はここ最近ジジィに呼び出しをくらいまくって、つくると一緒にいられなかった。行ってきますと言う時、つくるは寂しそうな顔をして言ってくれたが、あの弟は違う。

帰ってくるな、クソ兄貴(笑顔)

という言葉を貼り付けた顔で言うのだ。
本当叩きのめしたい←

「いや、そんなことよりつくるだ。
ホットケーキが冷めちまう」

本来の目的を思い出し、つくる探しを再開。まぁ、探すって言ってもどうせ、自分の部屋にいるだろうけど……。

『コンコン』

「おーい、つくる。いるかー?」

しーーん。

返事なしか。

「入るからなー」

そう言えば久しぶりにつくるの部屋に入るな……。


とか思いつつ扉を開けると



「…やべぇ、天使」


スヤスヤと眠る俺のつくるがいた。
ベットの上に小さく丸くなって寝てるつくる。そして、俺たちが小さい頃につくるにプレゼントしたウサギのぬいぐるみを抱きしめながらのオプション付き。

「 そうだ、写真」

と、ポケットから携帯を出し連続撮りで写真を撮る。因みにつくるフォルダにある写真はとうに3桁は超えた。
ついでに、嫌味たらしく俺とつくる(寝顔)のツーショットを撮り、杏に送りつけといた。ざまーみろ。

「写真撮ったし…こんな可愛い寝顔でつくる襲われねぇかな…」

今に俺たち兄弟はバラバラになる。
まぁ、直ぐに一緒に住むようにするが。

杏はまだ中学生、つくるは高校生になる。

しかも、つくるの入学先は男子校だ。
勿論、俺と杏は大反対したがクソジジィは意見を変えず男子校に入学する手続きを済ませてしまった。

ただでさえ、こんなに可愛い奴だ。
標的にされるに決まってる。
女と間違えられて街で1人しとくとナンパばかりされてる可愛い弟。男子校でやっていける筈ない。杏さえいればまだ安心だが、中学を卒業してねぇ。

「つくる、俺は心配だ……」

寝ているつくるの髪を優しく撫でる。
ずっと変わらないふわふわの髪質に、俺たち兄弟と同じ匂い。今にその匂いも消えてしまうだろう。

匂いだけならまだいい。
また、同じシャンプーとか使って
染めればいいだけだ。
でも、

「もしつくるが傷ついたら俺は……」

2度と治らない傷をつけられたら。

守ると決めた、ずっとずっと昔から俺はつくるを守ると決めた。杏だってそうだ。
なのに、手放しちまうなんてな……。

「ごめんな、つくる……。
強くなったと思ったのに何もできねぇ兄貴でよ……」

笑っていて欲しい。
こいつに、つくるには泣いた顔なんてもうさせたくねぇ。
だから、傍にいたい。ずっとずっと。


「つくる……俺は寂しい」

離れることが、ずっと隣にいる者がいなくなった。つくるも相当の寂しがり屋だが、俺も寂しがり屋だったらしい。



「……………終兄……??」



と、小さく安心する声が。

「つくる??悪い、起こしたか?」

「終兄…泣いてるの?」

「は?」

と、頬を触れてみると濡れていた。
俺、いつの間にか泣いてたのか。

「痛いことが、あったの??
悲しいことがあったの?」

つくるは心配そうな顔をして、
俺の服を掴んだ。

「……あぁ、痛くて悲しいことがあったんだ」

俺を掴む小さな手を握り呟いた。
守ると誓ったのにまた離しちまうことに心が痛んで、少しの間だけだがそばにいないことが悲しい。

「終兄、僕は終兄の味方だよ。
僕の前では泣くの我慢しないでよ…ね?」

「知ってるよ、つくる。
ごめんな、つくる」

「ううん。
僕ね、終兄には笑ってて欲しいの」

「え?」

さっき、俺が思ってたことと同じ。

「今までね、沢山沢山助けてくれて、ずっとそばにいてくれてありがとうって思ってた。でもね、終兄が何か痛そうな顔をしてて寂しかった。何で痛そうな顔をしてるかはわかんないけど、僕は終兄も杏ちゃんも笑ってて欲しいんだ。だって、僕の大切な人だもん。だから、終兄が泣いてるのは辛いけど、その後僕の力で笑わせてみせるよ」


にっこりと俺の大好きな笑顔浮かべながら言うつくる。

「つくる。俺、やっぱりつくるが大好きだ」

「僕も終兄大好きだよ」

「俺たち両想いだな…」

「うん、両想い」

コツンとお互い同じタイミングで
額と額を合わせる。

「つくる、もしかすると当分会えなくなるかもしれない」

「会えないの……??」

目の前の瞳が寂しそうに歪める。

「あぁ、でも直ぐに帰ってくるよ。
俺たち両想いだからな、一緒にいなくちゃいけねー」

「帰ってくる??」

「あぁ。つくるの隣に帰ってくるよ、約束する」

「……うん、約束」

小指と小指を絡ませて約束する。

つくるが俺を笑わせてくれる様に
俺もつくるを笑顔にする。


「つくる………つく。
ずっとずっーと俺たち兄弟は一緒だ」







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終稀の回です。
ショートのつもりがロングにwww
LSですねw

シリアスにしてみました。
終稀がアメリカに旅立つ少し前の話です。

シリアスに描けたのかは不安です、はい。

というか、あとがきもぐだってあぁぁぁ。







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