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華を咲かせよう
2.


『ダンダン』

「つくるー、行くぞー!!」

「うんっ!」

と、ひーくんはボールを地面に
打ち付けながら叫ぶ。
今からひーくんがゴール下辺りにいる僕にパスをして、僕がシュート決めやすい所にボールを投げてひーくんがシュート!するゲーム?をするつもり。
僕、運動は得意じゃないからこの役になったんだけど、シュートしやすい所ってどこ??

「ひーくんー!
シュートしやすい所ってどの辺ー??」

と、質問。
変なとこに投げて失敗したらひーくんも
やだだと思うからね。

「んー?どこでもできるから
大丈夫だぜー?」

ひーくん、どこでもできるって凄い…。
流石バスケ部に入ってるだけあるなぁ。

「うぅー、大丈夫??」

「おう!そんなに心配なら、
俺がパスしたらつくるの少し前くらいに
軽く投げてくれればいいよー!」

「わかったー!」

前くらいにだね!
よーし、ひーくんがしやすいような
パスをするぞー!!

『ダンダン』

「つくる、ほらよっ!」

と、ひーくんが僕が取りやすい様に放物線を描きながらゆるやかなパスをくれた。
これなら

「取れ……あわわわうでっ!?」

「つくるっ!?」



なかったです……………。


放物線を描いたボールは綺麗に
僕の頭にぶつかった。
ひーくんはびっくりしたみたいで
僕の所に駆け寄ってきた。

「うぅぅ、痛い……」

バスケットボールって固くて
とても痛い。舌噛まなくてよかったよ。

「つくる、ごめんな!
もう少し優しく投げればよかった…。
本当ごめんっ!」

ひーくんはボールがぶつかった僕の頭を優しく触りながら謝った。

「ひーくんのせいじゃないよ。
ボールだってあんなに優しく投げてくれたのに取れなかった僕のせいだよ。ごめんね、びっくりさせたし、パスできなくて…」

「パスは別にいいよ!
つくるごめんな…」

「ひーくん謝んないの!
僕のせいだから、大丈夫だよ?。
もう、痛くないからもう一回やろ、ね?」

「………本当に大丈夫か?」

ひーくんはどこも痛くないはずなのに
どこか痛そうな顔をしながら僕に尋ねた。僕は、うん!と頷きながらひーくんの手を握る。これで、少しは安心できるかな…?

「…ありがとう、つくる。
でも、次はつくるは見学な!」

「えっ!」

「見学!。頭ぶつけたんだし見学してな。
代わりに俺のシュートを見ててくれ!」

にかっと元気を取り戻したひーくんは
ボールを拾ってゴール下辺りに僕を連れて行った。
確かに頭ぶつけたし、ボール取れるかわかんないから見学でもいいんだけど、一緒やりたかったなぁ。

「つくるー、見てるかー?」

「あっ!うん!ひーくん頑張れー♪」

おー!と叫び、ひーくんは突然真面目な顔になった。凄く真剣な顔でかっこよかった…。

『ダンダンっ!』

そして、二回程ドリブルした後、
もの凄い速さで走り出した。
凪ちゃんも凄く速かったけどそれ以上。

僕がそんなこと考えている間に
もう僕の目の前にひーくんがいる。
さっきまでコートの半分以上離れた所に居たはずなのに。

「ほらよっと!」

と、一言言ってひーくんは飛ぶ。
比喩的に言うと蝶々が羽ばたくように
優雅に飛んだ。

「綺麗……」

そして、

『ガコッン』

と、ひーくんがダンクを決めた。

「よしっ!つくる見てたかー?」

初めてスポーツで魅入った。
ひーくんかっこいい、凄い…!

「うん!!
ひーくん凄い、凄いよ!
蝶々みたいだよ!」

「は?蝶々??」

ひーくんはよく分からない顔を
してたけど、僕はお構いなし!
ひーくん、蝶々みたいに綺麗だった。






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あきゅろす。
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