華を咲かせよう 1.行方 凪said 「あれは……?」 と、俺の行く先に白いものが落ちていた。 ここは、俺たちの教室がある棟の反対側の棟、職員室などがある棟に俺はいる。 流石につくるはここにはいないだろうと思ったが、来ていたようだ。なぜなら、俺の手の中にはつくるが大切にしていたうさぎのぬいぐるみ。 でも、大切にしているはずなのに 何で落ちてる? 何かに巻き込まれた? もし巻き込まれたのなら大変だ…… と、俺は考え他の3人に電話した。 「今すぐに職員室側の棟に来い! つくるが危ないかもしれないっ!」 電話して5分後、3人は直ぐに集まった。 早すぎて少し驚いたけど、 そんなこと言ってられない。 「お母さん、つーちゃんが危ないって どういうこと?」 と、意外にも千夜が真面目に聞いてきた。 「さっき、三階で つくるのぬいぐるみを拾った」 俺はそれと同時に手に持ってたぬいぐるみを3人に見せた。日向はそれが?って顔をしていたが、要、千夜は俺と同じ事を考えてるみたいだ。 「…このぬいぐるみ、つくるが大切にしてるって昨日言ってたよな? そんなぬいぐるみを落とすか?普通?」 俺の言葉を聞いて、日向も気づいた様だ。 「俺の予想が当たっては欲しくないが つくるは誰かに拐われた。 誰かは分からないが、時間がない」 「凪、いつ頃それを見つけた?」 「見つけて直ぐ電話したから電話した ぐらいに発見したよ。」 「だとして、いつ拐われたかは 分かんないよね〜。 もし、親衛隊の人たちがつーちゃんを 拐ったとしたらヤバイよ」 そう、親衛隊に拐われたしたら 本当に危ない。 そこらの男だとしても危ないが、 親衛隊、生徒会の親衛隊は何してくるか分からない。入学式につくるは目立ってしまった。そして、生徒会室に呼ばれてしまった。その事実があるため、目をつけられてもおかしくない……。 「んなこと分かってる! 早く探しにいかねぇーと!」 と、日向は走り出そうとしたが 「日向っ! 宛先もなく探したって時間の無駄だ。 凪、千夜、日向、恐らくあいつらのことだ。この棟のどこかにいるはず。 だからこの棟の空き教室を当たるぞ」 と、要が冷静に言った。 こういう時、一番要が冷静になる。 中学の時からいつもそうだ。 「要、何でこの棟のどこかって 分かるんだ?」 日向はやはりバカだったみたいだ。 「日向、あいつら親衛隊が 制裁に場所を考えると思うか?」 「……あぁ、そうだな。悪い」 そう親衛隊は場所問わずどこででも 制裁をする過激集団。 唯一生徒会と先生の前では制裁はやらない。 「日向がバカなのは知ってる」 フンッと鼻で笑う要。 それに反抗しようとする日向だけど、 事実なのも確かなので口を閉じた。 「茶番はこれくらいにして〜 さっさとつーちゃんを助けよ〜♪」 そして、間の抜けた千夜の声。 「「「言われなくても」」」 タイムリミットがある。 時間との勝負だ。 お願いだから、間に合って と、俺は想いながら走り出した。 ←→ [戻る] |